2014年2月2日日曜日

和菓子のほん その2 パリ”とらや”に行く

1月16日の深夜便でキンシャサを発って早2週間。
今回の旅は、パリで2泊し、友人2人との再会を果たし、とても楽しい時間を持てた。
そして、パリのフォーブル・サントノーレにある和菓子の店、「とらや」に友人と行って来た!

午前中11時頃に店を訪れると、なんと満席だった。
そこで、午後2時なら席を確保できるというので、予約を入れてもらい再度午後の時間に訪れたのだった。

とらやパリ店はパリの高級品店が立ち並ぶフォーブル・サントノーレ脇の落ち着いた通りにある。
入り口で「とらや」のロゴ入りの白い暖簾に迎えられる。
店内に入ってすぐのところにショーケースがあり、羊羹などの和菓子、そして1月の公現祭Epiphanieのフランス祝い菓子、”Galette des Rois”が並べられていた。
このガレット・デ・ロワは1月の間、フランス中のケーキ屋さんでお目にかかる丸い型の焼き菓子だ。その中にそっとソラマメか陶製の人形(fève)が隠されていて、切り分けられた自分のケーキの中にそのプチおまけ(fève)を見つけた者がその日の王様になれる、という風習がある。もちろん、王様用の冠も付いている。紙製だけど、その冠もfève同様に収集家がいるのだそうだ。ケーキ屋の職人の感性が問われるところなのだろう。

さあ、日本のとらやがアレンジするとどんなお菓子になるのか!
それに!
ショーケースには、ガレット・デ・ロワの中には、ピンク色の和菓子をモチーフにした小さな陶器が入っていると説明書きがあり、「TORAYA」と刻印された陶製の和菓子が、本物の和菓子と共に陳列されていた。
このピンク色の小さな陶製和菓子fèveだけでも、18ユーロもする。
もちろん、わたしは‘ガレット・デ・ロワを買って、お菓子大好きの娘の夫のため、そしてfèveを収集する娘のためのお土産とした。
(娘のところで切り分けたら、中はあんこの焼き菓子だった。和菓子fèveは娘の元に!)


さて、店内に入り、右に広がるサロンに通される。

とらやパリ店の店内

売り場とカフェは1階フロアだけだ。
そんなに広くはない。10テーブルほどだったように思う。
もちろん、パリ店もしっとり落ち着いた和の雰囲気だ。
お客さんは9割以上外国人だった。

メニューを見ると、昼食メニューもある。
わたしと友人は迷わず、赤飯お重ランチにする。だって和菓子と抹茶のデザート付きだったんですもの!
とらや 赤飯お重ランチ


隣のテーブルにはちょっとお洒落なたぶんフランス人男性2人が座って、和菓子と抹茶を美味しそうに食べている。

わたしたちが注文した赤飯お重ランチのほうはというと。
一の重には赤飯が、二の重には卵焼き、さやインゲンや椎茸の煮物などがちょこちょこと並んでいる。そしてうれしいことに茶碗蒸しも付いてきた。
娘や息子の学校の父兄会の帰りに、そして会員になっていたギンレイ映画館の帰りによく立ち寄った神楽坂の甘党の店「紀ノ善」の赤飯弁当を思い出して、懐かしさがこみ上げてくる。

久しぶりの和のランチに舌鼓を打ちながら、ちらりと隣のフランス人男性に目を向けると、和菓子の2個目を注文していた。和菓子の真髄がかれらに届きますようにと願いながら(ほんの瞬間だけ、もう一度!)盗み見をしてしまう。

わたしたちもデザートの和菓子をお重に詰めて運ばれた4つの和菓子の中から選ぶ。抹茶か他のお茶も選択肢にあったが、やっぱり抹茶を注文する。

ランチのデザート 和菓子とお抹茶


店内は静かな雰囲気だった。
トイレは2階にあり、鼠色の石のシックな空間だった。

そして、店内に、福音館「和菓子のほん」を発見した!!

パリの人たちの中に浸透してゆくように感じられる、とらやパリ店の和菓子の文化。

ガレット・デ・ロワの入ったとらやの黒い紙袋と共に店を後にして、日本人としての誇らしさと、ほっと温かい安らぎを感じながら、どんより曇り空のパリの雑踏に混ざり込んでいったのだった。

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