2019年9月14日土曜日

お月さまの中に見えるもの

日本はもう9月14日ですね。
こちら、ワガドゥグでは、9月13日夜を迎えました。
我が家の窓からは、満月(の1日前?)が見えなくて残念!
今年は、日本では9月13日が中秋の名月。そして、翌日の14日が満月になるのだそうです。ワガドゥグも日本より9時間後(時差分)に中秋の名月、満月となるのかな。

日本では、月と農業は深い繋がりを持っているそうです。人間の体のリズムとも繋がっているとも言います。
日本では明治5年まで太陰太陽暦(太陰暦)が使われていたと知りました。




さて、日本人は、満月の中でうさぎが餅つきをしていると考えますね。
もちろん、わたしもずーっとそう思って月を見ていました!

30年近くも前に、家族で中央アフリカのバンギに暮らすことになったとき、貴重な荷物のスペースを使って、天体望遠鏡を持って行ったことを思い出します。
北緯35度の日本と、北緯4度のバンギでは、絶対に月の模様が違って見えると信じて疑わなかったわたしは、家族でそれを実証しようと思ったのです。
まったくごくろーさん、な話です。
確かに、夜、庭に望遠鏡を持ち出して観た満月の模様は違っている!、と夫や子どもたちと言い合って感動したものですが、今となってはそれが本当だったのかどうか、疑わしく思ったり・・・。科学的にはどうなのでしょうねえ。

日本だけでなく、中国、韓国でも月にうさぎがいるという言い伝えが存在しているようです。ただ、中国では、うさぎが杵臼でついているのは薬草だと考えるのだそうです。
他のアジアの国を調べてみると、インドではワニが、インドネシアでは編み物をする女性が見えるのだとも書かれていました。

ヨーロッパ北部では本を読む女性。ヨーロッパ南部では大きなはさみを持つカニ。ヨーロッパ東部では髪の長い女性。
アラビアでは吠えるライオン。
カナダではバケツを運ぶ少女。アメリカ南部ではワニ。南米ではロバ。

やはり緯度が違うと、見え方も違うのでしょうか。それとも、その土地、土地で育まれた文化、感性の違いかな。ふしぎです。


さて、アフリカの人たちには、どのように見えるのでしょう。

コンゴ民主共和国のキンシャサの人たちに尋ねると、母親が子どもをかたぐるましている姿だと考える、とこたえました。
マリ共和国のトアレグ族の女性に訊いたときには、おばあさんが繕い物をしている姿ととらえられているそうです。
そして、ここ、ワガドゥグのモシ族の女性に訊くと、赤ちゃんにおっぱいを飲ませる母親がいると考えるのだそうです。
なんとおもしろい!!!

このように、アフリカで訊いた3か国の人たちは、月の中に”女性”を見ています。
インドネシア、ヨーロッパ北部、東部、カナダでも月の中に女性を見ています。
フランス語で月のことを ”La lune” と言い、女性名詞です。
こんなことにも興味がわきます。

ワガドゥグの人たちに、日本人には月にうさぎがいて餅つきをしている姿が見えるんだよと説明すると、目をまん丸にしてびっくりされました。
トアレグ族の女性は、おばあさんが繕い物をしているのが見えるお月さまの歌もあると言っていましたが、キンシャサにも、ワガドゥグにも(わたしが訊く限り)月の歌はありませんでした。(そもそも子どものための歌というのがどちらの国にもないように思います。)日本にはお月さまの歌がいくつかあるよというと、これまたびっくりされました。盆踊りの歌にまであるよ、とは言いませんでしたが。

また、日本人には平安時代に中国から入ってきたといわれる”お月見”の風習がありますが、アフリカのこの3か国では月をめでるという文化は存在しないようです。

わたしは、もっともっとアフリカの人たちに「月の中に見えるもの」について聴き取っていきたいと思います。

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