2018年4月29日日曜日

青猫書房 「木と森の本」展 ご案内

来月5月2日から、赤羽の青猫書房ギャラリーで、「木と森の本」展が始まります。
5月21日まで(火曜定休)です。



また、期間中の5月19日(土)午後2時から、青猫書房ギャラリーで、ボランティアグループの ”一期一会” の音楽と朗読のコンサート ”いのちをみつめて「木」” も企画されています。
コンサートの中の朗読は、「葉っぱのフレディ」と「チェロの木」。



さて、「木と森の本」展の選書は・・・。




 
1. 「木はいいなあ」(偕成社) ジャニス・メイ・ユードリィ作、マーク・シーモント絵
保育園の先生ユードリィが、木がたくさんあるのはいいなあ、たった1本でも木があるのはいいなあ、というメッセージを絵本全体で届けている。春夏秋冬の、子どもたち動物たちが木と共に暮らす豊かさを素直にキャッチしよう。〔絵本〕

2. 「もりのなか」(福音館)マリー・ホール・エッツ作
ひとりの男の子が紙の帽子をかぶり、らっぱを持って森の中へ散歩に出かける。そこで、動物たちに出会い、楽しい楽隊の出来上がり。かくれんぼのおにになって目を開けると…。森の静けさが伝わってくる。〔絵本〕

3. 「また もりへ」(福音館)マリー・ホール・エッツ作
わいわいがやがや、にぎやかな声が森から聞こえてくる。そこでは動物たちの得意技の披露大会が繰り広げられ、男の子も仲間入り。森の中からかわいい笑い声が聞こえてくるよ。やっぱり、森の静けさを感じる。〔絵本〕

4.「モチモチの木」(岩崎書店)斎藤隆介作、滝平太郎絵
臆病な男の子の豆太は大好きなじさまと暮らしている。ある日、モチモチの木に明かりが灯って美しく輝いていた。男の子はもう臆病豆太ではない。切り絵の美しさもどうぞ。〔絵本〕

5.「ペカンの木のぼったよ」(福音館)青木道代文、浜田桂子絵
大きなペカンの木(西洋くるみ)のある園庭で、障害を持つ仲間をどうにか一緒に木登りさせようと皆で知恵を出し合う。大きく枝を伸ばして緑の葉が繁り、実を付けるぺカンの大木のある園庭で園児たちは木と遊んで大きくなっていく。〔絵本〕

6.「木」(福音館)佐藤忠良絵、木島始詩
日本の彫刻の第一人者、佐藤忠良が鉛筆画で描く木たちは、どっかり図太い。
そして、詩人、木島始の紡ぐ言葉の連なりもたくましい。
大人の方にこそ味わってほしい。〔絵本〕

7.「葉っぱのフレディーいのちの旅ー」(童話屋)レオ・バスカーリア著
アメリカの著名な哲学者、レオ・バスカーリア博士が書いた生涯でただ一冊の絵本。一枚の葉っぱを通して、まだ経験したことのないからこそ怖れる、”死ぬ”ということを真正面から語る。世界は変化し続ける。万物が変化し続けて、”いのち”は繋がっていく。絵と写真が交互にページに載っている。〔絵本〕
一期一会のコンサート使用の絵本。

8.「はるにれ」(福音館)姉崎一馬 写真
1978年こどものとも1月号として出版され、のちに1981年10月ハードカバー出再版。北海道の草原に立つ一本のはるにれの大木の姿を季節の移り変わりとともに写真家、姉崎の目で切り取られる。〔絵本〕

9.森はオペラ(クレヨンハウス)姉崎一馬 写真
姉崎一馬の目でシャッターを切って映し出される森。緑が限りなく美しい。やっぱり、森には音楽がある!〔絵本〕

10.「木を植えた人」(こぐま社)ジャン・ジオノ著
仏プロヴァンス地方、マノスクという岩肌が露出する荒れ果てた寒村で、1900年初め、第1次世界大戦の間も第2次世界大戦の間もグフィエは岩山に木を植え続ける、名もない一人の男の姿を描く。〔物語〕

11. 「チェロの木」(偕成社)いせひでこ作
木は森の中で見たり聞いたりしたことを語るかもしれない。楽器になって。
森の木を育てた祖父、楽器職人の父、そして音楽に目覚める少年。森に行くとおじいさんがどこかに隠れているように思えた。そして、いろんな歌が聴こえてきた。〔絵本〕
一期一会コンサート使用絵本。

12.「おおきなきがほしい」(偕成社)佐藤さとる作、村上勉絵
大きな木は子どもの夢そのもの。わたしもそうだった!それをあらためて思う。
ページをめくりながら木に登っていくようだ。ライプツィヒ国際図書デザイン展銅賞受賞。〔絵本〕

13.「森のおくから」(ゴブリン書房)レベッカ・ボンド作、もりうちすみこ訳
昔、カナダであった本当の話。1914年、5歳になる夏の頃。アントニオは忘れない、人間も動物たちも一体になって湖に入って山火事から逃げた日のことを。
祖父アントニオが自分の子どもたちに語って聴かせ、それを母が作者に語ってくれたこの話が一番好きだった、と著者は語る。〔絵本〕

14. 「遊んで遊んで リンドグレーンの子ども時代」(岩波書店)クリスティーナ・ビヨルク文、エヴァ・エリクソン絵、石井登志子訳
リンドグレーンの作品、「長くつ下のピッピ」、「やかまし村の子どもたち」などには、大きな木で遊ぶ場面がたくさん登場する。
その原点はリンドグレーン自身が育った環境にあったのだと痛感する本。リンドグレーンのことがぎっしり詰まっている。彼女は言う。「遊んで遊んで遊び死にしないのが不思議なくらいだった。幸せな自分の子ども時代のことをふり返ると、子ども時代の環境がその人の人生の土台になる」と。〔絵本・物語〕

15. 「おじいちゃんの口笛」(ほるぷ出版)ウルフ・スタルク作、アンナ・へグルンド絵
嘘っこの孫と、老人ホームに暮らす嘘っこのおじいちゃんの交流の物語。おじいちゃんが子どもの頃、大好きだったこと。木に登って、さくらんぼの実を枝の上で食べること。おじいちゃんのために嘘っこのたんじょう日を作っておじいちゃんの好きだったことをもう一度叶えてあげる。温かい風を感じる。おじいちゃんの口笛『ヨハンナ、口笛が吹けるかい』の軽快なメロディがまた良い。」〔絵本・物語〕

16. 「木をかこう」(至光社国際版絵本)ブルーノ・ムナーリ作、須賀敦子訳
イタリアの著名な造形家が、深く”木”という存在をみつめて出来上がった本。
60cmの針金27本で彼の説明通りに束ねてねじっていくと。できた!本物そっくりの木が!訳者は須賀敦子。〔絵本・エッセイ〕

17.「グリーン・ノウのおきゃくさま」(評論社)ルーシー・M・ボストン・M・作、ピーター・ボストン絵、亀井俊介訳
グリーン・ノウ物語の第4作。物語はコンゴの熱帯雨林の棲むゴリラ一家の日々から始まる。舞台はロンドンの動物園に移り、そこで一頭のゴリラの子と中国系難民の男の子と出会う。そして、グリーン・ノウの森へ。一頭と一人の男の子の感動の交流をどうぞ。〔物語〕

18. 「旅をする木」(文春文庫)星野道夫著
少年の頃からずっとアラスカに惹かれ、26歳でアラスカに渡り、18年間そこに根を下ろして暮らした写真家のエッセイ。アラスカの大自然を写真家の詩的な描写で綴る。”旅をする木”。彼自身のことか・・。あとがきもぜひ!〔エッセイ〕

19. 「羊と鋼の森」(文春文庫)宮下奈都著
森のそばで、森から響く音を聴いて育った青年が、学校の体育館に置かれたピアノを調律する場面に出会いピアノに”森”を感じた。ピアノ調律師を目指して真摯に進む青年の姿を追う。〔小説〕

20.「木」(新潮文庫)幸田文著
木を愛してやまない文さんが日本中の木を訪ね歩いて綴るエッセイ。文体が美しい。
文さんの”木好き”の根本も明かされる。〔エッセイ〕

21. 「たったひとつのどんぐりがーすべてのいのちをつなぐー」(評論社)ローラ・M・シェーファーとアダム・シェーファーー文、フラン・プレストン=ガノン絵
森の一本の木で育った、たったひとつのどんぐりが、いろんな生命と出会って命を繋いで、そして、豊かな森になっていく。シックな絵の色彩が、独特の世界を醸し出す。
FSCミックス;責任ある木質資源を使用した紙で作られている。〔絵本〕

22. 「もりのてぶくろ」(福音館)八百板洋子文、ナターリヤ・チャリーシア絵
ロシアの文化の中心都市、サンクトペテルブルク(旧レニングラード)に生まれ育ち、現在も在住の画家ナターリヤの絵も美しい。
森に落ちた一枚のいつつでの葉っぱ。いろんな動物たちが、自分の手と大きさ比べをしながら通り過ぎていく。〔絵本〕

23.「えんやらりんごの木」(偕成社)松谷みよ子作、遠藤てるよ絵
赤ちゃんにわらべ唄の持つリズム感の楽しさ、心地良さをという松谷みよ子さん作の絵本。一本のりんごの木を真ん中に置いて、わらべ唄ふうの文が繋がっていく。
木の上でみんなでお昼寝なんていいな。〔絵本〕

24.「Diapason」フランスの字のない絵本
”Diapason”Diapasonとは、”音叉。音域”という意味。森の中で奏でられる交響曲?はたまた、ピアノ調律師がピアノを静かに、そしてダイナミックに鳴らしながら調律する過程?宮下奈都著の「羊と鋼の森」と重なってしまう。
びょうぶ風の絵本を立てかけてみると。ひとつの大きな森が出現する!
今は、ページめくりの絵本だけがフランスで出版されている。〔絵本〕

25.「ARBRE」フランスの字のない絵本
”ARBRE”とは、”木”。
堅い紙でできた、ちょっと不思議な形をした絵本。ページをめくってみると、一本の木の一年の移り変わりが描かれる。まるで、人の人生のように。立ててぐるっと360度に広げてみると、なんと、一本の大木になる。〔絵本〕


こんな絵本、物語、随筆、小説を選んでみました。本と本が繋がり合ったり、響き合ったりするのも、私自身の楽しい発見でした。ギャラリー内では、木にまつわる詩を4篇そして数枚の写真をパネル展示しています。
タンザニア、ティンガティンガ派のペンキ画家、Shogenさんの木の大作もこの企画のために描いていただくことになっています。

最後の2冊の絵本はわたしがフランスで見つけてトランクに詰めて持ち帰ったものです。
「Diapason」のびょうぶ風の絵本は現在出版されていないとのことで、びょうぶ絵本は1冊のみの販売です。ページめくり型の絵本は2冊用意しています。
「ARBRE」は現品1冊のみの販売です。

それでは、青猫書房でお待ちしています。

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