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夏の絵本屋で、人形作家、内田恵子さんの制作した9体のパペットを預かり、販売した。
ぬいぐるみ人形の中に組み込まれた手袋状のものの中に手を入れて動かすと本当に生き生きと愛くるしい表情をする動物たちだった。彼女は与勇輝のような作風の人形を制作し、多くの個展を開催している方で、今回、初めてパペットたちを制作したと聞く。今春の大震災で被害に遭われた方の癒しになればという思い、パペットとの交流の様子を知りたい、売上金を大震災の義援金にしたいという希望を持っていることを知り、夏の絵本屋で販売することにした。
まず、お孫さんがちょうど童謡♪かたつむり♪を覚えて一緒に遊びますという私の大学の先輩が、色使いもオシャレな「かたつむり」パペットを引き取って行かれた。
それから、夫婦で歯科医院をする友人が、前歯がチーズ好きを物語るいたずらっ子の「ねずみくん」を虫歯で来院する子どもたちの同志(!)に、と連れ帰った。
また、小学校で音楽を教える友人が、賢者の風格の「ふくろう奥さん&2匹の子どもふくろう」パペットを選ばれた。早速、授業に使い、低学年の子どもたちの目がランラン♪と輝いてかわいいのよ~と話してくれた。
そして、威風堂々としてるのになんだか笑いがこみ上げてくる「ゴリラ」パペットが娘たちの養女として引き取られていった。皮のむけるバナナとりんごとブドウのえさ付きで紫色の乳首がかわいく、絶対女の子だと言って”ゴリ子ちゃん”と名づけてかわいがっている。彼らの部屋を訪ねるたび、口にくわえる果物が違っている。
2匹のカラフルな「ヤドカリ」パペットと、さかなちゃんの頭に載せたくなるような「なまず」パペットの3体はまだ引き取り先が決まっていない。
友人が学校や教会のボランティアグループに訊いてみようと預かってくれている。
どなたか有効利用していただけるところがあったら是非教えてください。
パペットの大きさは、ゴリ子ちゃんはヨン様が持つ豪華な花束くらい・・・生後10か月くらいの人間の赤ちゃんくらいかな。
ほかのパペットたちは野球のグローブくらいか、ちょっと大きいくらいだ。
子どもたちは、ぬいぐるみが動いた瞬間にもう命あるものとして心から感動してくれて、こちらにも幸せが伝わってくる。
小さい頃、着ぐるみのファンタジックな劇団、「木馬座」の舞台を観に行ったのを思い出す。
たしか、題目は”ヘンデルとグレーテル”。お菓子の家が欲しかったけど、恐ろしい魔法使いのおばあさんのものと知った途端、不気味なお菓子に見えてきたものだ。劇が終わって舞台に上がって着ぐるみたちと握手するとき、異様なほどの顔と目の大きさに圧倒された。初めてディズニーランドでミッキーマウスに頭をなでられた時に大泣きした我が息子ほどではなかったけれど、宇宙人に出会ったときもこんなかなあ~と思うほど心はぶっ飛んでいた。
さて、パペット人形の細部にまでこだわって制作されたのを重々承知で、価格は気持ちででお願いしますという作者の言葉をそのままに三千五百円から七千円の幅で購入していただき、先日やっと日本赤十字社東日本大震災義援金として送金を済ませた。行動の遅い我が身を情けなく思う。ごめんなさい。
内田恵子さん、夢を与えてくださりありがとうございました。
パペットたちの末永い幸せな人生を心から祈ります。
母の寛子でした。
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