2019年10月8日火曜日

お月さまの中に見えるもの~中央アフリカ共和国の伝説


ゴンボウ畑の母と子(2019.10.3 夫撮影)

夫の事務所に勤務する、中央アフリカ共和国出身の技術者が話して聴かせてくれた、お月さまの中に見る母子のちょっと悲しい物語です。
かれの祖父母からこの話を聴いたそうです。


いつもと同じように、ひとりの婦人が背中に赤子をおんぶして、頭に籠を載せ、犬を連れて野良仕事に出ていました。犬は、畑の作物を見守ってもらうために連れて行くのです。
そうして、また、いつものように夕暮れ時に家へ戻るのでした。

ところが、ある日、いつまで経っても妻たちが戻ってこないのを心配した夫は、妻たちがいつも戻ってくる道を探しに行きました。どこを探しても、妻たちは見つかりませんでした。
悲しみに暮れる夫は、毎日毎日、妻たちの帰りを待ち続けました。

そして、ある満月の夜、ふっと見上げたお月さまに、赤子を背負って、籠を頭に載せ、犬を引いた妻の姿を見つけました。

ああ、あんなところに、妻がいる。


それから、村の人たちは、籠を頭に載せたひとりの婦人が赤子をおんぶして一匹の犬を連れた姿を月の中に見るようになったということです。

今でも、中央アフリカの人たちに伝わる話だということです。


この話を以前、わたしのブルキナブログの”満月の中に見えるもの~アフリカ編”の一部に載せましたが、今回、夫がゴンボウ畑(オクラの畑)にたたずむ婦人の姿を写真に収めてきてくれたので、絵本屋ブログのほうに、一つのお話として載せます。

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