絵本 へびのクリクター |
キンシャサから、新年おめでとうございます。
2013年はへび年。
へびが登場する絵本、といったら何と言ってもこの絵本、”へびのクリクター”だ。
作者は、以前このブログでも紹介した絵本、”ゼラルダと人喰い鬼”も著したトミー・ウンゲラーさん。
この作品は細い線で描かれていて、フランスのおしゃれ感漂うイラストだ。
ゼラルダや三人組とはまた違った画風で、自由自在に筆を操りわたしたちを楽しませてくれるウンゲラーさんだ。
彼のウイットに富んだいたずら精神もまたこの物語のあちこちに散りばめられていて、わたしたちの心をホコホコっと遊ばせてくれる。
フランスのエスプリを感じさせる絵と”へび”がマッチングするとこんな風になるんだなあ、というウンゲラーさんの奇想天外さ、っていいなあ~。
この物語の表紙の夫人こそ、この物語の主人公クリクターの飼い主であり、準主人公である、ボドさん。
一見、アニメ”アルプスの少女ハイジ”のロッテンマイヤーさんを彷彿とさせる外見だが、救われることにボドさんは、ブラジルで爬虫類の研究をする息子さんからの誕生日プレゼントとして贈られた大蛇をすんなり受け入れるくらいの度量の広い女性なのだった!
クリクターと名づけられた大蛇は、ブラジルからドーナッツ型の箱に入れられて、つまり大蛇を丸めた形の箱でボドさんのお宅に届く。
一応、ボドさんは届いた蛇が毒蛇ではないことを関係機関に問い合わせてから飼育を始めるくだりが、ボドさんの職業、教師に由来していそうなところもまた愉快だ。
ボドさんがクリクターを手塩にかけて育てる場面を、ウンゲラーさん独特のとぼけたセンスで描いていてページを開くたびに楽しめる。
ボドさんに抱かれてミルクを飲むクリクター |
クリクターの故郷に似せて作った観葉植物だらけの寝室に、クリクター用の長ーい長いベッド。
クリクターの長い体に合わせてセーターを編むボドさんの編み目製図を載せる台になるクリクター。
出来上がったセーターにも笑ってしまう。
物語の中身は、ウンゲラーさんのセンスで描く楽しくユーモアたっぷりのクリクターとボドさんの生活ぶりだ。
トミー・ウンゲラーさんは、ストラスブルク生まれのフランス人で、のちにアメリカに移住している。
この物語の最後に登場するクリクター公園、ってホントにフランスのどこかの町に実在するように思える。
さて、昨秋、日本に帰ったときに、わたしの大好きな目白の古絵本屋、”貝の小鳥”で太めのリリアン編みの道具を見つけて買ってきた。
これくらい太かったらわたしの大切な楽器、リコーダーのセーター(カバー)を毛糸で編めるかな、と思って。太い金具が8本も付いているのだから。そして、ちょっとボドさんのクリクター用セーターを思い浮かべて。
8本爪のリリアン編み機で編んでみたけど・・・ |
でも、思った以上に細い筒状のものしかできない。
アルトリコーダーはもちろん、ソプラニーノにも細すぎた。
あーあ、クリクターの赤ちゃんでもいたらな。
ほら!
こんなボドさんとクリクター人形を制作するかたを発見した!
皆さんにとって、平和で愉しいへび年の2013年となりますように!
はじめまして
返信削除とてもかわいらしい本ですね・・・。
外国製のものでも、日本人の翻訳の方が、日本語に翻訳なさっていることで、また新しい世界観が生まれそうです。素敵ですね。
ストラスブール出身の作者ということですけれども、わたしは今ストラスブールに住んでおりますよ^^
海外におりますと、干支がどれだったかな・・?とおもうときもありそうです。
また遊びに参ります。
Amarettoさん♪
返信削除嬉しいコメントをありがとうございます♪
ストラスブールには長くお住まいですか?
フランスの絵本が日本で絵本になってとっても素敵になった例もあります。
常夏のキンシャサにもうしばらくいることになりそうですので、少しずつアフリカの日常生活で思い出す絵本を紹介していけたらなと思っています。
また遊びにいらしてくださいね♪hiro♪