もうじき5歳になるという頃から3年間アフリカのフレンチスクールに通っていた息子 の話から。
「”Il etait une fois ・・・”(イレテチュヌフォワ~)~”昔、昔あるところに~”と先生がお話を始めると、 '入れてッちゅーとふわぁ~ん~,."*,'*','*~という呪文で、たちまち物語の世界に入り込んでいた。あの言葉は不思議な響きだったなあ。」
息子より4歳上の娘は、私が物語を読み始めるとしばらくして必ず、「ねえね。これってホントにあった話??」と訊いていた。
「そうだよー。本当にあった話だよー。」とわたしが言うと、安心して更に深く物語に入り込んでいた。明らかにフィクションだと分かっていても、わたしは、「そうだねえ。本当にあった話だといいねえ。」
娘は了解したように静かに天井をじっと見ながら聞いていた。
「この話、おもしろいね!」というサインと、気に入った話が「本当のことであってほしい。」という願いからの言葉だったのだろう。
そうやってアフリカの長い夜、「ローラシリーズ」、「やかまし村シリーズ」、「牛追いシリーズ」、「飛ぶ船」、「年とったばあやのお話かご」・・と親子で読んでいった。
ずいぶん後になってのことだが、息子が、「お姉ちゃんはいつも”本当にあった話?”って聞いていたけど、フツーに考えて、あるわけねーだろ!!って思う話のときでも訊いてたよね。」と言ったのには笑った。
友人の息子さんがバンコクにいた頃(多分、4歳から7,8歳くらいの時かな)、お話上手のお父さんに、「ねえ。ツクリバナシして!!」とおねだりしていたそうだ。彼にとっては、「ツクリバナシ」が「作ったお話」だとは思っていなかったのかもしれない。
それでも思う。
「これって本当にあった話?」と訊く子と、「作り話して!」とおねだりする子と、もしもこの二人が姉弟だったら、毎晩大変なことになっていただろうなと。
余談だが、小さい頃から食いしん坊だった娘。食事の時、1,2口食べてから「おかわりある?」というのが、「おいしいね!」の合図だった。「うーん!たっくさん!」と応えると本当に幸せな顔をみせた。
それぞれの個性が楽しい。
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