昔の話ですが、L’éléphant vert(レ・レファン・ベール)という小さな絵本屋さんを、毎年夏休みの期間限定でオープンしていました。多くの方々のお力のおかげで…。 いつかまた絵本屋さんを実現できたらな、そんなことをひっそりと夢みながら、 このブログで絵本に関するたわいもない話を、 現在アフリカのブルキナファソに住む母(2012年~2014年はコンゴ民主共和国からの更新)と、フランスに嫁いだ娘が綴ります。
2019年4月27日土曜日
アフリカ民話絵本 ”RAFARA”
このきれいな印刷の絵本。両手の手のひらの乗るくらいのサイズだ。
ここ、ワガドゥグの小じゃれた本屋で見つけた絵本だ。
フランス人(多分)の店主マダムに、アフリカの物語はありますか、と尋ねて勧められた本のうちの一冊だ。
この絵本は、ブルキナファソの物語ではないけれど、アフリカではとても知られている物語ですと、店主マダムは言った。
「ラファラ」という女の子が主人公の物語。
絵がアフリカっぽくて、発色もいい感じだ。
ただ、残念ながら、出版はパリ。
”lutin poche”シリーズの中の一冊(?)。
初版は2001年6月になっている。
ブルキナファソ、の”ファソ”といい、”ラファラ”といい、なんだか、わたしの周りには、音階が付いて回っているような気がして、よし読んでみるか、とこの絵本を買ってきた。
ラファラという主人公は、同じ父親から生まれた2人の意地悪な姉を持つ、末っ子の優しい女の子でした、というところから物語は始まる。
意地悪な姉と三人で森に木の実を採りに出かけ、お姉さん2人は、末っ子の妹をわざと森に置いてきぼりにして帰ってしまう。
そこへ、おばけの「トリモゥブ」が現れてラファラをかっさらって自分の棲家に連れて行ってしまう。
でも、このおばけは、決して意地悪ではなくて、外で美味しいものをたくさん見つけて抱えて帰ってきてはラファラに父親のように与えてくれるのだ。ただ、家に帰さないだけ。
でも、ラファラは家族の元へ帰りたいと願うのだった。
ある夜、寝ているラファラの耳元で、何か食べ物をください、という声がした。見ると、小さなねずみだった。
ねずみは、早く逃げないと、あなたは明日、トリモゥブに食べられてしまうよとラファラに忠告する。
この3つの物を持って、早くお逃げなさい、と。
ねずみからの贈り物は、棒きれと、石と、卵、だった。
ねずみはラファラに、あんたの機転でそれらをお使いなさい、と渡してラファラを森へ逃がした。
もちろん、ラファラが逃げたと知ったトリモゥブは怒り狂って追ってくる。
でも、ラファラはその時々の直感で、「棒きれさん、湖になって」、「石ころさん、森になって」、「卵さん、山になって」とお願いしながら、とうとう、高い山のてっぺんまで来てしまった。
そこで、大きな羽を持つ「ボボンドレオ」という冴えない鳥に出会い、お願いをする。
「優しい鳥のボボンドレオさん、わたしをあなたの背中に乗せて、わたしのおうちまで連れ行って。その代わり、あなたをきれいな石たちでおしゃれな鳥さんにしてあげるわ。」
無事に我が家に戻ってきたラファラは、約束通りに千個の石でボボンドレオをキラキラの綺麗な鳥に飾ってあげる。
ラファラは、うれしそうに空高く飛んでいく鳥にお別れを言うのだった。
そして、月日は経ち・・・。
賢く優しいラファラはますます美しい娘になって、王子さまにみそめられて結婚して幸せに暮らしました、とさ。
三人姉妹のお姉さん二人が意地悪で、末娘は美しい心の持ち主で、最後に王子さまと結ばれた、っていうところはシンデレラっぽいな、とか、ねずみにご飯をあげたので不思議なものを贈られたというのは、おむすびころりんなどの日本昔話に似てると思ったり。
でも、始まりに、”同じお父さんから生まれた3人の娘たち”とあるのは、一夫多妻制のアフリカの風習だなあと思ったりもした。
この話の始まりは、”On raconte que・・・”(だったとさ。)。
終わりは、”On raconte meme・・・Mais ceci est une histoire!”(だったとさ。でも、違う話もあるかもね。)。
こんな訳でいいのか分からないが、伝承文化のアフリカらしいなあ、とか勝手に思うのだった。
~とさ。
ブルキナファソの物語も探してよんでみるぞ。
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