葉っぱの傘 (知人のfacebookから引用) |
知人のfacebookで、こんな詩的な写真を見つけた。
タイで撮影されたようだが、出所はよくわからない。
わたしは、なんとも自然な感じで葉っぱの傘を差して歩く男性の、この写真のとりこになってしまった。
この写真からすぐに連想されたのが、絵本「かさどろぼう」(徳間書店)だ。
スリランカのシビル・ウェッタシンハさんの作・絵で、薄緑色のポップな絵の表紙から惹きつけられる絵本だ。
裏表紙の一筆書きのような絵も楽しい。
イギリスの作家・サトクリフの物語の翻訳を手がける猪熊葉子さんの訳も魅力だ。
以前は福武書店から出ていたが、しばらく絶版状態になっていた。そして、徳間書店から復刊され心底ほっとした。
絵本 ”かさどろぼう”の表紙 |
手元にかさどろぼうの絵本がないから、確かではないが、物語の最初に、葉っぱの傘を差して往来する村の人たちの絵があったように記憶している。まさにこの写真のような人が見開き2ページにいっぱい!という場面だった。(わたしの夢の中の映像かな??だったらお許しください。)
キリママおじさんは、町の人たちが差している傘を見て、村に1本買って帰るのだが、帰り着いて店でコーヒー(セイロン紅茶ではないのね!)を飲んでいる間に傘を誰かに盗まれてしまう。何度買って帰っても、コーヒーを飲んでいる間に傘は無くなってしまう。
盗んでいく者は誰だ?
キリママおじさんは夕焼けの森(モノクロの森にあかね色の夕陽が射すこのページがまたきれい!)に入り込み、とうとうみつけたかさどろぼうの正体は・・・。
森の中の木の枝から枝へ張った蔓植物にカラフルな傘が何十本も掛けられ、一本だけ開いて掛けられた傘にちょこんと座って満足気にニコーっと微笑む森の住人ーアジアだから、おそらくオランウータンの子どもーが描かれたページには思わずこちらもニコーっと微笑み返してしまう。
大らかなキリママおじさんは一本だけ、オランウータンの子どもに傘を残してあげる。
そして、おじさんは村で傘屋を開く。
まったくこの話は、”ぶっそう”なところがかけらもないのだ。
この物語も我が家の子どもたちのお気に入りだった。
力強い筆さばきと、緻密な筆遣いとが同居するシビルさんの絵は独特だ。
キリママおじさんの顔に、日本の奴凧の顔が重なる。
夏の絵本屋では、ガラス作家の廣田理子(ひろたあやこ)さんにお願いして、キリママおじさんのカラフルな傘たちをガラスでイメージしてもらい、ペンダントヘッドやピアスに仕立ててもらった。それらの作品がさらに「かさどろぼう」の世界に連れて行ってくれたように思う。
キンシャサで傘屋さんを見かけたことはない。
今は乾季だから雨は本当に一滴も降らないから、傘の「カ」の字も見かけないし、一年のうちそんな季節が半分もあるのでは商売上がったりだろう。
雨季が始まると、路上に傘売りの人が現れるけれど。
外見を重視する(?)キンシャサの人たちには、素朴な葉っぱの傘なんて考えられない、かな、多分。
まあ!大きな葉っぱ傘!
返信削除葉っぱの傘をさしてゆうゆうと雨の中を歩く…。
いいな。
タイの人なのですね♪
こんなふうに葉っぱを傘にしている人は
さすがに見たことがありませんでしたが
雨が降ると、スーパーのビニール袋をかぶって
ニコニコしているタイの人たちが懐かしいなぁ。
『かさどろぼう』、あたたかく、なんだか
カラフルなお話ですね。猪熊葉子さんの訳なのですね。
キリママおじさんの傘屋さんはきれいなんだろうなぁ♪♪♪
傘には夢がありますよね。
その形が、こんなに進歩した現代でも
昔とちっとも変っていないのがまたいいなぁと思います。
someiyoshinoさん。
返信削除いつもコメントをありがとうございます。
大きな葉っぱの傘の写真をfacebookに紹介された方は、よくアジアの写真をアップしています。そのどの写真もとても美しいのです。
”かさどろぼう”の絵本は、バンコクへの本に入っていたと思います。
色々な国の絵本や本を知りたいなと思います。