2020年5月30日土曜日

facebook「7日間ブックカバーチャレンジ」 その6~”あらしの前”、”あらしのあと”


7日間ブックカバーチャレンジ その6

「あらしの前」 「あらしのあと」 (岩波少年文庫)
ドラ・ド・ヨング著 吉野源三郎訳
”あらし”とは、第二次世界大戦のことです。
作者は、オランダの女性。
戦争直前のオランダで平穏に暮らす一家が描かれた第一作。
戦後、一家が前向きに進む姿を描いた第二作。
訳者が「きみたちはどう生きるか」を著した吉野源三郎さんだったことをずいぶん後になって知りました。
1969年に書かれた”訳者のことば”をこれを機に読み返すことができ、すばらしい贈り物をいただいたようです。
歳を重ねた今こそ、もう一度手に取って読んでほしい本だとわたしは思います。



2020年5月28日木曜日

facebook「7日間ブックカバーチャレンジ」 その5~”赤毛のアン”岸田衿子訳

facebook上に5月11日にアップした5冊目の本紹介です。


7日間ブックカバーチャレンジ その5

「赤毛のアン」(朝日出版社)
モンゴメリ作
岸田衿子訳、安野光雅絵。

今回は、岸田衿子さん訳のアンの物語を紹介します。
この”赤毛のアン”が、わたしが小学生のとき我が家に毎月届けられていた「少年少女世界文学全集」に入っていたことを知って、この文学全集にしっかり向き合わなかったことにまたまた後悔するのでした。
安野光雅さんのあとがきで、”衿子さんは、この本のことをわたしに一言も言わなかった。もし知っていたら、「あれはすばらしい本だった」と一言、彼女に告げたかった。”、と書いています。
安野さんのぼんやりとした挿絵がまた、アンの世界へとっぷりと浸からせてくれたのだと思います。


facebook 「7日間ブックカバーチャレンジ」 その4~”ステフィとネッリの物語”

7日間ブックカバーチャレンジ その4
「ステフィとネッリの物語」(新宿書房)


もう一つ、スウェーデンからの物語を。
第2次世界大戦が始まる頃、ユダヤ人の子どもたちを救うためにスウェーデン政府は里親を募り、約500人の子どもたちがドイツやオーストリアからやってきました。そのうちの二人の姉妹の、終戦までの史実に基づいた話です。
戦闘や収容所の惨いシーンが描かれることなく、4巻で6年間の姉妹のスウェーデンの離島での暮らしを描きます。
二人の戦後はどのように進むのでしょう。
ステフィとネッリの未来に幸多かれ!、と祈りながらページを閉じたときの幸福感ったらなかったな。
アニカ・トール著。訳者は菱木晃子さん。

facebook 「7日間ブックカバーチャレンジ」 その3~”やかまし村のこどもたち”

4月27日から始めたfacebook上での本紹介も3回目になりました。これは5月5日の投稿です。

7日間ブックカバーチャレンジ その3
「やかまし村のこどもたち」(岩波書店)

スウェーデンの作家、リンドグレーンさんがやかまし村に住む両隣3軒の子どもたちの日常を描きます。
物語は、「やかまし村はいつもにぎやか」、「やかまし村の春・夏・秋・冬」と続きます。彼女自身、「遊んで遊んで、遊び死にしないのが不思議なくらい遊びまくった子ども時代だった」と自分の子ども時代を回想しています。子どもたちが子どもらしく暮らす姿を描いていて、読んでいて笑いがこみあげてきます。
この本も、アフリカ時代の夜を子どもたちと一緒に読んで楽しみました。
日本の子どもの日に。

2020年5月27日水曜日

facebook 「7日間ブックカバーチャレンジ」 その2~”とぶ船”

4月末から始めた、7日間ブックカバーチャレンジ その2
「とぶ船」 (岩波少年文庫)


今から25年ほど前、アフリカの夜に子どもたちと読んで楽しんだ1冊です。


4人のきょうだいたちが”とぶ船”に乗って時空を超えて繰り広げる、イギリスの冒険物語。
かれらはチベットやアフリカにも行きました、という部分を読んだときは、母子で歓声を上げました。
物語の最後に、「魔法は信じなければきえてしまうのですから。」というくだりがあります。
ブルキナファソのワガドゥグでモシ族の我が家のコックさんに、突風に乗って旅をするモシ族の秘伝について話してもらった時、わたしは彼に、その秘伝をあなたは信じてるのかと尋ねました。彼は、もちろんだと応えました。わたしにはその秘伝を持ち合わせてはいないけど、50歳、60歳以上の年代のモシ族の男の人たちは皆信じてるから、今もその秘伝を使って旅をできるのです、ときっぱり言いました。
この時にふっと思い出した本がこの”とぶ船”でした。
大人になっても忘れないでいる。物語の結末にも感動です。
現在も上下巻になって岩波少年文庫から出版されています。
追記:現在の「とぶ船」のハードカバー表紙は下の写真のほうです。わたしたち母子もアフリカでは、こちらのほうで読みました。

facebook「7日間ブックカバーチャレンジ」  その1~”グリーンノウのお客さま”


Facebookでチェーンメイルのように回ってきた「7日間ブックカバーチャレンジ」。 わたしは7冊の本を、”本当は子ども向けの物語だけど大人になった今こそ手に取ってほしい本”、ということから選書しました。 わたしの絵本屋ブログのほうにも再録して、さらに3冊ほど追記して私自身の思い出として残しておきたいと思います。
「7日間ブックカバーチャレンジ」初回です。
”グリーンノウのお客さま”


我が家の本箱にあるのは上の表紙。右下の画像は新しくなった表紙です。イギリスのボストン夫人著のグリーンノウ物語シリーズの4作目です。
コンゴのジャングルの場面から始まるこの物語のお客さまとは?
物園の動物たちが置かれた悲しい境遇を想像してほしいな。
そして、最後の最後でハッピィな結末を用意してくれたボストン夫人に心からありがとう!、です。





 


2020年3月10日火曜日

人間の言葉を話す羊の話

ワガドゥグ近郊のサーバという町にある現地の子どもたちの幼稚園にわたしがボランティア先生で通い始めてまだ半年にもなりませんが、自由な教育の中で子どもたちはのびのび、元気はつらつです。
ある日、おやつの時間に園長先生とお茶を飲みながら、キンシャサの我が家で飼っていたコンゴヨウムの話になりました。

コンゴヨウムは体長30cmを超える大型の鳥で、体毛はグレー。尾羽は見事な朱色です。コンゴヨウムは長生きし、人間の言葉を真似るだけでなく言葉の意味を理解し、人間とコミュニケーションを取る能力を持つと言われています。
ところが、我が家のヨウムときたら一言も話さないし、一芸たりともしなかった、というがっかり話を園長先生に披露しました。


キンシャサで飼っていたコンゴヨウムのぽんちゃん(2014.6.18.撮影)


すると、思い出したように園長先生が、小さいときに聴いて大好きだった口承話があるのよと話しくれました。ブルキナファソの話かというと定かではないのだけど、でも私が小さいときによく聞いた話よ、と言いおいて話が始まりました。


昔、ある村に、人間の言葉を話す羊がいました。
そして、家族にとてもかわいがられていました。
しかし、家族が貧しくなって食べ物に困ったある日、お父さんは決心をしたのです。
人間の言葉を話す世にも珍しい羊を市場に連れて行って、わたしたちの羊を可愛がってくれる人を見つけて高い値で買ってもらおう。

―人間の言葉が分かるし、しゃべることもできる、賢い羊だよ~。そんな羊はいらんかね~。

ーへぇ、人間の言葉をしゃべる羊かい。ちょっとしゃべってみてくれないかい。

ー ・・・・・・。
羊は黙ったまま一言もしゃべろうとしません。

―ちっ。何もしゃべらないじゃないか。

そういうやり取りが何度か繰り返されましたが、羊は無言を押し通しました。そして客は皆、去っていきました。

家では、お父さんが大金を持って、鶏や魚を山ほど買って帰ってくると信じて、トマトや玉ねぎなどの野菜をたくさん使って煮込み、あとはお父さんが買ってくる肉と魚を入れるだけという状態で、お父さんと肉と魚の到着を今か今かと待っていました。

市場に人間の言葉をしゃべる羊を連れて売りに行ったお父さんはどうしたでしょう。
お客さんの前では一言もしゃべらない羊だったのですから、お客さんからはうそつき呼ばわりされ、散々な目にあいました。お父さんは羊のことでうんざりし、かんかんに怒って、羊を家に連れて帰ってきました。
皆は、羊をまた連れて戻ってきたうえに、怒り心頭の様子のお父さんを見てびっくりです。

ーまったく!! この羊め!まったくしゃべりやがらない。

人間の言葉を理解する羊はしょんぼりしていました。
そして、人間の言葉を話せる羊は言いました。

ー どうぞ、わたしを食べてください。

賢い羊は、この家で皆と暮らしたい一心で、市場では一言もしゃべらなかったのです。
人間より一枚うわての羊だったのです。

そして、羊は以前にも増して幸せに暮らしました、とさ。