2020年5月30日土曜日

facebook「7日間ブックカバーチャレンジ」 その7~”みどりのゆび”

7日間ブックカバーチャレンジ 最終回
最終回は迷いに迷って最後に選んだ本です。子どものためと思われている本を大人になった今こそ深く読み込める本、という視点で選んだ7点ということを最後まで貫きましょう。
「みどりのゆび」(岩波少年文庫)
モーリス・ドリュオン作 ジャクリーヌ・デュエーム絵 安藤次男訳

フランスから来たこの物語の主人公は不思議な指を持った勇敢な男の子。
岩波書店から出ているきれいな色刷りの”愛蔵版”は箱に入っています。岩波の愛蔵版としては、「モモ」と「星の王子さま」があります。岩波がこの3冊の愛蔵版を作った理由がわかるようです。
左は岩波少年文庫。右の写真が愛蔵版。
手前に置いた白馬は、人形作家のナンシー・スカーレットさんがこの物語に感動して作ってくれた主人公の男の子の愛馬です。ぽろりと落ちるブルーの涙が見えますか。               

facebook「7日間ブックカバーチャレンジ」 その6~”あらしの前”、”あらしのあと”


7日間ブックカバーチャレンジ その6

「あらしの前」 「あらしのあと」 (岩波少年文庫)
ドラ・ド・ヨング著 吉野源三郎訳
”あらし”とは、第二次世界大戦のことです。
作者は、オランダの女性。
戦争直前のオランダで平穏に暮らす一家が描かれた第一作。
戦後、一家が前向きに進む姿を描いた第二作。
訳者が「きみたちはどう生きるか」を著した吉野源三郎さんだったことをずいぶん後になって知りました。
1969年に書かれた”訳者のことば”をこれを機に読み返すことができ、すばらしい贈り物をいただいたようです。
歳を重ねた今こそ、もう一度手に取って読んでほしい本だとわたしは思います。



2020年5月28日木曜日

facebook「7日間ブックカバーチャレンジ」 その5~”赤毛のアン”岸田衿子訳

facebook上に5月11日にアップした5冊目の本紹介です。


7日間ブックカバーチャレンジ その5

「赤毛のアン」(朝日出版社)
モンゴメリ作
岸田衿子訳、安野光雅絵。

今回は、岸田衿子さん訳のアンの物語を紹介します。
この”赤毛のアン”が、わたしが小学生のとき我が家に毎月届けられていた「少年少女世界文学全集」に入っていたことを知って、この文学全集にしっかり向き合わなかったことにまたまた後悔するのでした。
安野光雅さんのあとがきで、”衿子さんは、この本のことをわたしに一言も言わなかった。もし知っていたら、「あれはすばらしい本だった」と一言、彼女に告げたかった。”、と書いています。
安野さんのぼんやりとした挿絵がまた、アンの世界へとっぷりと浸からせてくれたのだと思います。


facebook 「7日間ブックカバーチャレンジ」 その4~”ステフィとネッリの物語”

7日間ブックカバーチャレンジ その4
「ステフィとネッリの物語」(新宿書房)


もう一つ、スウェーデンからの物語を。
第2次世界大戦が始まる頃、ユダヤ人の子どもたちを救うためにスウェーデン政府は里親を募り、約500人の子どもたちがドイツやオーストリアからやってきました。そのうちの二人の姉妹の、終戦までの史実に基づいた話です。
戦闘や収容所の惨いシーンが描かれることなく、4巻で6年間の姉妹のスウェーデンの離島での暮らしを描きます。
二人の戦後はどのように進むのでしょう。
ステフィとネッリの未来に幸多かれ!、と祈りながらページを閉じたときの幸福感ったらなかったな。
アニカ・トール著。訳者は菱木晃子さん。

facebook 「7日間ブックカバーチャレンジ」 その3~”やかまし村のこどもたち”

4月27日から始めたfacebook上での本紹介も3回目になりました。これは5月5日の投稿です。

7日間ブックカバーチャレンジ その3
「やかまし村のこどもたち」(岩波書店)

スウェーデンの作家、リンドグレーンさんがやかまし村に住む両隣3軒の子どもたちの日常を描きます。
物語は、「やかまし村はいつもにぎやか」、「やかまし村の春・夏・秋・冬」と続きます。彼女自身、「遊んで遊んで、遊び死にしないのが不思議なくらい遊びまくった子ども時代だった」と自分の子ども時代を回想しています。子どもたちが子どもらしく暮らす姿を描いていて、読んでいて笑いがこみあげてきます。
この本も、アフリカ時代の夜を子どもたちと一緒に読んで楽しみました。
日本の子どもの日に。

2020年5月27日水曜日

facebook 「7日間ブックカバーチャレンジ」 その2~”とぶ船”

4月末から始めた、7日間ブックカバーチャレンジ その2
「とぶ船」 (岩波少年文庫)


今から25年ほど前、アフリカの夜に子どもたちと読んで楽しんだ1冊です。


4人のきょうだいたちが”とぶ船”に乗って時空を超えて繰り広げる、イギリスの冒険物語。
かれらはチベットやアフリカにも行きました、という部分を読んだときは、母子で歓声を上げました。
物語の最後に、「魔法は信じなければきえてしまうのですから。」というくだりがあります。
ブルキナファソのワガドゥグでモシ族の我が家のコックさんに、突風に乗って旅をするモシ族の秘伝について話してもらった時、わたしは彼に、その秘伝をあなたは信じてるのかと尋ねました。彼は、もちろんだと応えました。わたしにはその秘伝を持ち合わせてはいないけど、50歳、60歳以上の年代のモシ族の男の人たちは皆信じてるから、今もその秘伝を使って旅をできるのです、ときっぱり言いました。
この時にふっと思い出した本がこの”とぶ船”でした。
大人になっても忘れないでいる。物語の結末にも感動です。
現在も上下巻になって岩波少年文庫から出版されています。
追記:現在の「とぶ船」のハードカバー表紙は下の写真のほうです。わたしたち母子もアフリカでは、こちらのほうで読みました。

facebook「7日間ブックカバーチャレンジ」  その1~”グリーンノウのお客さま”


Facebookでチェーンメイルのように回ってきた「7日間ブックカバーチャレンジ」。 わたしは7冊の本を、”本当は子ども向けの物語だけど大人になった今こそ手に取ってほしい本”、ということから選書しました。 わたしの絵本屋ブログのほうにも再録して、さらに3冊ほど追記して私自身の思い出として残しておきたいと思います。
「7日間ブックカバーチャレンジ」初回です。
”グリーンノウのお客さま”


我が家の本箱にあるのは上の表紙。右下の画像は新しくなった表紙です。イギリスのボストン夫人著のグリーンノウ物語シリーズの4作目です。
コンゴのジャングルの場面から始まるこの物語のお客さまとは?
物園の動物たちが置かれた悲しい境遇を想像してほしいな。
そして、最後の最後でハッピィな結末を用意してくれたボストン夫人に心からありがとう!、です。