東京で桜開花の報を電子ニュースで受け取り、熱帯雨林の広がるキンシャサから、こんな森の絵本を紹介したくなった。
この1月、フランスで字のない縦長の絵本を見つけた。
フランスの絵本 Diapason 表紙 33×14.6cm |
Diapason。
音域。
フランス語だ。
なるほど。
表紙の横線五本は、五線譜なのだな。
開けると、ページがつながっていた。
蛇腹状につながった頁 |
モノクロにわずかに緑色が添えられたシンプルな色彩だ。
全開すると。
広大な森の風景が広がっている!
すごい!
まるで、森林の中に入り込んだような、そして、静かに、かすかにメロディーが聴こえてくるような、静寂さを感じてしまう。
一頁め。
指揮者が一歩、森の中に入り込むところから。
一本の高い木を見上げる。
その高い木の上に上った指揮者のタクトが振れる。
静かな序奏の音楽が聞こえてくるようだ。
少しずつ、森の中にさざ波が立ってきたぞ。
森じゅうの葉っぱたちがおどり始めた。
月の満ち欠けにざわめくように、森からの音楽にもさざめき立つ海の様子すら見えてくる。
今や、指揮者は地球に立っているかのようだ。
まるでお月様から宇宙に向かって指揮しているような・・・ |
いよいよ、クライマックスだ。
宇宙に向かって、大きくタクトが振られる。
終演。
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