ZONGOのコンゴ河で採った石ころたち |
この写真の石ころたちは、今年の正月に訪れたZONGOのコンゴ河で採ってきたものだ。
近くに滝があって、うっそうとした茂みが続く河岸だったから、水晶が見つかるのではと期待して探したが、徒労に終わった。
思い起こせば、わたしは小さい頃から、きれいな石ころを集めるのが好きだった。
どこに行っても、きれいな石ころを見つけては家に持って帰って、母から迷惑がられた。
そんなことを思い出しながら、一冊の絵本が浮かんできた。
絵本 ”ロバのシルベスターとまほうの小石” の表紙 |
「ロバのシルベスターとまほうの小石」(評論社)という絵本だ。
ロバの子、シルべスターは、変わった形や色の石を集めて楽しんでいた。
ある日、シルベスターはきれいな赤い小石を見つける。
それは、願い事が叶う魔法の小石だった。
その時、シルベスターの眼前に突然ライオンが現れ、とっさに小石を持ったまま、「岩になりたい!」と思ってしまい、本当に岩になってしまったのだった。岩のそばには、赤い小石が残されたまま・・・。
ああ、岩になってしまったシルベスター自身の驚きようと嘆きを想像するだけで、読んでいる側も胸が張り裂けそうになってくる。
そして、そんなこととはつゆほども知らないシルベスターの両親、ダンカンさん夫妻の嘆きも察して余りある!
行方不明になった息子を探し回るダンカンさん夫妻の表情!
さあ、果たして誰かが魔法の赤い小石を拾い上げて、シルベスターが元の姿に戻ることを願ってくれるのだろうか!!
奇想天外な筋書きで、親が子を想う深い愛情を表現してる、というところにこの物語の魅力があるのかもしれない。
我が家でも、子どもたちが小さいころ、身を寄せ合いながら(共に間近にいる安心感をもって?)何度この絵本をいっしょに読んだことだろう。
ウイリアム・スタイグ作で、アメリカでの初版は1969年だそうだ。
そして翌年に、コルデコット賞を受賞している。
日本では瀬田貞二の訳で1975年に評論社から出版されている。
(・・ということは、この絵本もわたしの幼い頃には存在せず、母親にならないと出会えなかった絵本だったのかもしれない。)
娘は、この絵本を読みながら(読んでもらいながら)、岩になった自分を想像して、声も出せない、手も足も出せず身動きひとつできない状況を「怖いと思った」と言っている。
ああ、わたしが拾った小石たちが魔法の小石ではなくてよかった!
そして、子どもたちが魔法の小石を見つけなくてよかった!
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