ブルキナファソの国の首都、ワガドゥグからまた本屋ブログを再開します。
わたしがワガドゥグに戻ってきて1週間が経ちました。
1年半ぶりに帰ってきたこの町は、一見、全く何の変わりもないように見えたのですが・・。ブルキナファソの伝統工芸織物を外国人向けに奇麗な色の糸を使って織る、ちょっとおしゃれなブティックに立ち寄ったとき、店は半分カーテンが閉められ、店に並ぶ商品も半減して色あせて、ちょっと元気のない店主と再会しました。1年半前にわたしが緊急出国する前に会った店主マダムはコロナ禍で外国人が減るとわたしの店は大きな打撃を受けることになると心配そうにしていたのを思い出しました。
この店は間違いなく、その損失を受けていると直感しました。
ということは、店の奥で簡素な織機を使って織る職人さんたちもいなくなったのかな。奥はとてもひっそりしていました。かれらの暮らしが心配になりました。
そんな折、ワガドゥグでこの国の男性と家庭を持って暮らす、元気な3人の子の母親でもある日本人女性から、絵本「そのこ」を教えてもらい、借りてきました。
「そのこ」
谷側俊太郎 詩、 塚本やすし 絵、晶文社 刊
日本から遠く離れたアフリカの国、ガーナに暮らす一人の男の子の話です。
ガーナ、といえばチョコレートの国だ、と連想するのが一般の日本人でしょうか。
そのチョコレートの原材料のカカオはどのようにして収穫されて、どのように出荷されて日本にたどり着くのでしょう。
収穫の時に、子どもの手が入っていることを連想したことがありますか。
同じ地球に生まれて、同じ空を見上げる子たちなのに。
学校に行ける子と行けない子。
ふかふかの布団にくるまって寝られる子と堅い地面に横たわって寝るだけの子。
ゲームがいつもそばにある子とそんなものに無縁の子。
ゲームなんかなくても、子どもらしく一日中遊びに夢中になれる子とそうではない子。
いろんな境遇の中で生きている子に想いを馳せてみてほしいなとこの絵本を読んで思います。
お友だちでもないけど、本当に出会ってもないけど、世界中に生きる子たちのことを思い描いてみてください。
家族で思い描いてみてください。
わたしが借りた本は、2011年6月10日の初版本です。
2012年11月20日2刷からは、中保佐和子(詩人・翻訳家)さんによる英訳が加筆されているということです。
世界中の子どもたちが幸せに暮らせますように。