西村書店から出版されているこの写真集。
こども、と言わず、老若男女、一家で楽しめる本だと思う。
”Primitive art” を辞書で引いてみると、”原始美術” と記されているが、とんでもない!
まだ、”芸術”という概念がなかったころ、ただかれらの生活の中で使われるものとして作られた”もの”たち、そんなものたちの「用の美」を、アートとして一つのカテゴリーに高めたものを言うのだろうと思う。
この本には、アフリカ、南米、エスキモー、オセアニア、アジアなどの世界の民族の中で生まれ育まれた生活の中のアートが多く紹介されている。
本の最後には、世界地図が載っていて、どこからの作品なのかを知ることもできる。
夏の絵本屋でも取り扱った本で、ひそかに人気のあった本だった。
さて。
キンシャサの我が家のアートを紹介すると・・・。
これは、「SUKU」という両サイドから飲む木製の杯。
コンゴのBandundu州のKahungula村のもので、契約成立、結婚式の契りだけでなく、喧嘩の仲直りのときにもお酒を入れて両口から飲んでめでたし!、めでたし!、というときに使われる杯だと聞く。最長部分12cmほど。
下のマスクは、ピグミー族のもの。
コンゴ、Province Orientale州のEpulu村からだそうだ。
ピグミーのマスクだからか、他の民族のものより小ぶりだ。
ピグミー族面
上の写真は、木製の賢者の像。ハート型の顔が楽しい。
1人の人間に、いくつもの能力が潜んでいることを表しているのだそうだ。
コンゴ、Lehgaからのオブジェだ。高さ27,8cm。
後姿が、ドラえもんに似ていて、なんともいえない愛嬌がある。
以上の3点は、キンシャサの、CENTRE CULTUREL BOBOTO(イエズス会運営のボボト文化センター)内の、ANTIKAというアンティークショップで購入。
この店で扱われるものには、資料を取り出して説明をしてくれるというサービスもある。
下の木製像は、Tetelaから来たもの。
女性の幸せのお守りの像だと聞いた。
ちょっと上向き加減で、真っ直ぐ遠くを見つめる目に幸せ感漂う(?)。
これは、キンシャサのドロボー市場で購入。
上の額に入った織物は、クバ族の草ビロードの織物だ。クバ王国は、コンゴ河の支流、カサイ川とサンクル川に挟まれた逆三角形のなだらかな丘陵地帯に広がっている王国だそうだ。いろいろなパターンの幾何学模様がおもしろい。
キンシャサ、ドイツ人経営の、”SYMPHONIE DES ARTS”店内の、ぼろ布の山から見つけ出して、他店で額装した。
我が家のプリミティブアートを眺めるたびに思い出す、”直感こども美術館 プリミティブアートってなあに?”の本だ。